建設業許可 左官工事とは

建設業許可専門の行政書士が「左官工事」について簡単に解説します。工事の区分の考え方と専任技術者になれる資格についても解説しています。

左官工事とは

 建設業許可における「左官工事」とは、工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹き付け、又は貼り付ける工事を指します。「モルタル工事」「モルタル防水工事」「吹き付け工事」「とぎ出し工事」「洗い出し工事」などが「左官工事」にあたります。
・「モルタル」とは、セメントと砂を練ったもので、これに砂利を混ぜるとコンクリートになります。「モルタル工事」は壁や床の仕上げの工事で「モルタル防水工事」はモルタルに防水材を混ぜたものを床や壁に使用する工事です。
・「吹き付け工事」とは、建築物へモルタルなどを吹き付ける工事です。
・「とぎ出し工事」とは、コンクリートやモルタルと種石を壁面に塗り、グラインダーなどで研ぐ工事です。
・「洗い出し工事」とは、コンクリートやモルタルと玉砂利などを壁面に塗り、玉砂利が浮き出すように仕上げる工事です。

工事の区分の考え方

・防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種でも施工可能である。
・ラス張り工事及び乾式壁工事については、通常、左官工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである。
・「左官工事」における「吹き付け工事」とは、建築物に対するモルタル等を吹き付ける工事をいい、「とび工事」における「吹き付け工事」とは、「モルタル吹き付け工事」及び「種子吹き付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹き付ける工事をいう。

 「左官工事」で混同しやすい建設工事の区分について、国交省のガイドラインから抜粋したものです。

 どのような工事がどの業種に含まれるかは、管轄する都道府県や地方によって異なる場合があります。請負う予定の工事がどの業種に含まれるか迷った場合、管轄の建設業課へ確認しましょう。

左官工事業の専任技術者になることができる資格

左官工事業の専任技術者になることができる資格一覧(専任技術者の詳しい要件はこちら

一般

1級土木施工管理技士※
1級土木施工管理技士補※
2級土木施工管理技士(土木)〇
2級土木施工管理技士補(土木)〇
2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)〇
2級土木施工管理技士補(鋼構造物塗装)〇
2級土木施工管理技士(薬液注入)〇
2級土木施工管理技士補(薬液注入)〇
1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士補※
2級建築施工管理技士(建築)〇
2級建築施工管理技士(躯体)〇
2級建築施工管理技士(仕上)
2級建築施工管理技士補〇
1級造園施工管理技士※
1級造園施工管理技士補※
2級造園施工管理技士〇
2級造園施工管理技士補〇
左官(職業能力開発促進法)
登録左官基幹技能者
登録外壁仕上基幹技能者

※資格取得+3年以上の実務経験を要する。
〇資格取得+5年以上の実務経験を要する。

「職業能力開発促進法」に関する資格については、等級区分が2級の場合は、合格後3年以上の実務経験を要する。ただし、平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。

特定

1級土木施工管理技士※
1級土木施工管理技士補※
2級土木施工管理技士(土木)〇
2級土木施工管理技士補(土木)〇
2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)〇
2級土木施工管理技士補(鋼構造物塗装)〇
2級土木施工管理技士(薬液注入)〇
2級土木施工管理技士補(薬液注入)〇
1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士補※
2級建築施工管理技士(建築)〇
2級建築施工管理技士(躯体)〇
2級建築施工管理技士(仕上)△
2級建築施工管理技士補〇
1級造園施工管理技士※
1級造園施工管理技士補※
2級造園施工管理技士〇
2級造園施工管理技士補〇
左官(職業能力開発促進法)△
登録左官基幹技能者△
登録外壁仕上基幹技能者△

※資格取得+3年以上の実務経験+2年以上の指導監督的実務経験を要する。
〇資格取得+5年以上の実務経験+2年以上の指導監督的実務経験を要する。
△資格取得+2年以上の指導監督的実務経験を要する。

「職業能力開発促進法」に関する資格については、等級区分が2級の場合は、合格後3年以上の実務経験を要する。ただし、平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。

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